SAP Analytics Cloud Just Ask機能のご紹介

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はじめに

本ブログでは、 QRC 2024 Q1 or 2024.02 にてリリースされた、SAP Analytics CloudJust Ask機能についてご紹介します。本ブログはInitial Release of SAP Analytics Cloud Just Askを参考に作成しています。

Just Askは、AIを活用した自然言語クエリ機能です。Just Ask を使用すると、ユーザーは自然言語で質問することで回答をチャートやテーブルで得ることができます。※20254月現在、英語のみの対応です。

SAP Analytics CloudのインポートモデルとSAP Datasphereのモデルをサポートしています。
Just Askは、Amazon Web Services Google Cloud PlatformおよびMicrosoft Azureでホストされているテナントで利用できます。

本ブログの内容

Just Askへのアクセス方法Just Askの基本機能Just Askの利用イメージ管理機能概要ロールアウトの準備

Just Askへのアクセス方法
Just Askは、ホーム画面の検索バーまたはメインツールバーの電球アイコンから利用することが可能です。

ホーム画面の検索バーの表示/非表示はオプションであり、ホーム画面の設定から有効にすることができます。

Just Askメイン画面

 

Just Askの基本機能

モデルの選択
質問する前に、クエリ対象のモデルを選択して絞り込みます。モデルを選択しないで利用することも可能ですが、検索精度向上のために対象モデルを選択する事が推奨されます。使用可能なモデルは、管理者によってJust Askに追加され、インデックス付けされたインポートデータモデルです。

SAP Datasphereのモデルを利用するには、 [検索に別のモデルを追加] を選択してデータモデルを選択します。SAP Datasphere の接続とスペースを参照し、SAP Datasphere 分析モデルまたは分析データセットを選択します。選択すると、SAP Datasphere モデルはセッションの期間中は使用可能になります。

 

質問を入力またはシステム提案の利用
検索バーに質問を入力します。入力中は入力候補が灰色で表示され、右矢印キーを押すことで単語の自動補完に使用できます。マウスまたはキーボードを使用して、ドロップダウンから他の候補を選択することもできます。

また検索後には、画面の右側に前の質問に基づいて提案された質問が表示されます。

メジャーとディメンションピッカー
検索バーの左側にある 「+」アイコンを押すと、モデルのメジャー(数値項目)とディメンション(分析軸)を直接選択し、フィルタすることができます。

サンプル質問
入力補助提案に加えて、管理者はサンプルの質問を定義できます。サンプル質問は、Just Askのメイン画面から利用できます。

 

Just Askの利用イメージ
Just Askは自然言語で質問するだけで分析クエリを生成し、チャートによるビジュアライゼーションで回答します。ビジュアライゼーションの上部には、クエリから推測されたフィルタが表示されます。この例では、「show gross margin by store in 2016」という質問に対して、年月を2016年に絞るフィルタを生成しています。

画面上部のボタンを使用して、チャートの種類を切り替えや表形式での表示、軸の追加やフィルタの追加、ドリルダウン操作などを行うことが可能であり、分析を深めることが可能です。また、データアナライザを開いてさらに分析したり、最適化されたストーリーに貼り付けることができるクリップボードにコピーしたりできます (従来のストーリーエクスペリエンスはサポートされていません)

※データアナライザ=ピヴォットライクに分析対象の数値項目や分析軸を切り替えながらデータ探索・分析を行える機能

また、Just Askの回答の画面の「…」メニューからソートを行ったり、データをCSVでエクスポートすることも可能です、

 

管理機能概要
Just Ask管理者は、Just Ask管理権限を持つロールが割り当てられたアカウントです。管理者、BI 管理者、BI コンテンツ作成者、モデラーなどの事前定義済みの組み込みロールには、この権限が含まれています。

 

管理者のタスク
Just Ask管理者の主なタスクは、エンドユーザーがクエリできるようにモデルを追加することです。

「モデルを管理」ボタンからモデル管理画面にアクセスします。

Just Askモデル管理画面 

追加されたモデルはインデックスが作成され、管理者は同義語とルールを定義できます。詳細については、後述のロールアウトセクションを参照してください。 

インデックスが作成されたモデルとインデックスがないモデル
Just Askはインデックスが作成されたモデルとインデックスがないモデルの両方をクエリできます。以下の表に違いをまとめます。

 

インデックスモデル

インデックスなし

管理者がモデルを照会する必要がない

管理者が同義語とルールを定義可能

初期NLQスコープ

取得した(インポート)モデル

SAP Datasphere モデル

ユーザーによるモデル選択が必要

エンドユーザーは選択したモデルにクエリを絞り込むことができる

 

Just Ask」をオンにする
デフォルトではJust Ask は有効化されておらず、Search to Insight 機能がデフォルトになっています。管理者は「システム管理」ページの「デフォルトの外観」タブにあるテナント全体の会話分析のトグルをオンにしてJust Ask を有効にします。
QRC 2025Q1より、Just Askはデフォルトで有効化されています。

 

SAP Datasphere
エンドユーザーがSAP Datasphere分析モデルと分析データセットを選択するには、SAP Datasphere接続を作成する必要があります。エンドユーザーには、接続:読み取り権限を持つSAP Analytics Cloudロールが割り当てられている必要があります。エンドユーザーは、SAP Datasphereユーザーアカウントを持ち、少なくとも1つのスペースのメンバーであり、モデルを読み取る権限を持っている必要があります。

詳細については、次のドキュメントを参照してください:
https://help.sap.com/docs/SAP_ANALYTICS_CLOUD/00f68c2e08b941f081002fd3691d86a7/ad4281e2875949f0b4d45…

 

ロールアウトの準備

データモデリング
Just Askを有効にする前に、管理者は、データモデルをJust Askに追加する必要があります。場合によっては、ストーリー作成向けに設計された既存のデータモデルがJust Askでのユーザーの要件に適さない場合があり、Just Askでの使用に特化したモデリング作業が必要になる場合があります。たとえば、モデルで公開されるエンティティが多すぎる場合や、専門知識を必要とする意味を持つエンティティがある場合、モデルにユーザーが期待するメジャーや計算が含まれていない場合などです。

 

同義語
モデリング作業を補完し、エンドユーザーが使用し慣れている用語に合わせてカスタマイズするために、管理者はモデルエンティティとディメンション名の同義語を定義できます。

ディメンション名の同義語の定義

ディメンション名に同義語を定義します。

 

ルール
エンドユーザーの質問に、質問に含まれていない暗黙のコンテキストが含まれている場合、ルールを使用して適切な回答を提供できます。たとえば、ユーザーは顧客訪問と旅費の関係について「顧客訪問と旅費を表示してください」と質問しますが、探しているのは「営業担当者による顧客訪問と旅費を表示してください」というような状況です。

ルール条件はJust Askに対する質問で使用される用語に基づいており、条件が満たされると、結果の並べ替え、フィルターの追加、エンティティの削除などのアクションが実行されます。

 

権限管理
データモデルは、その同義語とルールとともに、特定のユーザーを対象としています。特定のモデルにアクセスできるのは対象ユーザーのみに制限するために細心の注意を払う必要があります。Just Askの管理画面で必要なモデルだけを追加するまたは不要なものを除外することや、SAP Analytics Cloud SAP Datasphere でモデルアクセス権が適切に定義されていることを確認することが望ましいです。

ロールアウト
対象ユーザーと対象データモデルごとに段階的なアプローチで公開することが可能です。現在、Just Askではモデルのメタデータ情報を検索することはできないため上記の手順に加えて、ユーザーがデータモデルを理解できるようにトレーニングや資料作成を行うのが望ましい場合もあります。

本ブログではSAP Analytics Cloud Just Ask機能の概要をご紹介しました。

 

​ はじめに本ブログでは、 QRC 2024 Q1 or 2024.02 にてリリースされた、SAP Analytics CloudのJust Ask機能についてご紹介します。本ブログはInitial Release of SAP Analytics Cloud Just Askを参考に作成しています。Just Askは、AIを活用した自然言語クエリ機能です。Just Ask を使用すると、ユーザーは自然言語で質問することで回答をチャートやテーブルで得ることができます。※2025年4月現在、英語のみの対応です。SAP Analytics CloudのインポートモデルとSAP Datasphereのモデルをサポートしています。Just Askは、Amazon Web Services 、Google Cloud PlatformおよびMicrosoft Azureでホストされているテナントで利用できます。本ブログの内容Just Askへのアクセス方法Just Askの基本機能Just Askの利用イメージ管理機能概要ロールアウトの準備Just Askへのアクセス方法Just Askは、ホーム画面の検索バーまたはメインツールバーの電球アイコンから利用することが可能です。ホーム画面の検索バーの表示/非表示はオプションであり、ホーム画面の設定から有効にすることができます。Just Askメイン画面 Just Askの基本機能モデルの選択質問する前に、クエリ対象のモデルを選択して絞り込みます。モデルを選択しないで利用することも可能ですが、検索精度向上のために対象モデルを選択する事が推奨されます。使用可能なモデルは、管理者によってJust Askに追加され、インデックス付けされたインポートデータモデルです。SAP Datasphereのモデルを利用するには、 [検索に別のモデルを追加] を選択してデータモデルを選択します。SAP Datasphere の接続とスペースを参照し、SAP Datasphere 分析モデルまたは分析データセットを選択します。選択すると、SAP Datasphere モデルはセッションの期間中は使用可能になります。 質問を入力またはシステム提案の利用検索バーに質問を入力します。入力中は入力候補が灰色で表示され、右矢印キーを押すことで単語の自動補完に使用できます。マウスまたはキーボードを使用して、ドロップダウンから他の候補を選択することもできます。また検索後には、画面の右側に前の質問に基づいて提案された質問が表示されます。メジャーとディメンションピッカー検索バーの左側にある 「+」アイコンを押すと、モデルのメジャー(数値項目)とディメンション(分析軸)を直接選択し、フィルタすることができます。サンプル質問入力補助提案に加えて、管理者はサンプルの質問を定義できます。サンプル質問は、Just Askのメイン画面から利用できます。 Just Askの利用イメージJust Askは自然言語で質問するだけで分析クエリを生成し、チャートによるビジュアライゼーションで回答します。ビジュアライゼーションの上部には、クエリから推測されたフィルタが表示されます。この例では、「show gross margin by store in 2016」という質問に対して、年月を2016年に絞るフィルタを生成しています。画面上部のボタンを使用して、チャートの種類を切り替えや表形式での表示、軸の追加やフィルタの追加、ドリルダウン操作などを行うことが可能であり、分析を深めることが可能です。また、データアナライザを開いてさらに分析したり、最適化されたストーリーに貼り付けることができるクリップボードにコピーしたりできます (従来のストーリーエクスペリエンスはサポートされていません)。※データアナライザ=ピヴォットライクに分析対象の数値項目や分析軸を切り替えながらデータ探索・分析を行える機能また、Just Askの回答の画面の「…」メニューからソートを行ったり、データをCSVでエクスポートすることも可能です、 管理機能概要Just Ask管理者は、Just Ask管理権限を持つロールが割り当てられたアカウントです。管理者、BI 管理者、BI コンテンツ作成者、モデラーなどの事前定義済みの組み込みロールには、この権限が含まれています。 管理者のタスクJust Ask管理者の主なタスクは、エンドユーザーがクエリできるようにモデルを追加することです。「モデルを管理」ボタンからモデル管理画面にアクセスします。Just Askモデル管理画面 追加されたモデルはインデックスが作成され、管理者は同義語とルールを定義できます。詳細については、後述のロールアウトセクションを参照してください。 インデックスが作成されたモデルとインデックスがないモデルJust Askはインデックスが作成されたモデルとインデックスがないモデルの両方をクエリできます。以下の表に違いをまとめます。 インデックスモデルインデックスなし管理者がモデルを照会する必要がない管理者が同義語とルールを定義可能初期NLQスコープ取得した(インポート)モデルSAP Datasphere モデルユーザーによるモデル選択が必要エンドユーザーは選択したモデルにクエリを絞り込むことができる 「Just Ask」をオンにするデフォルトではJust Ask は有効化されておらず、Search to Insight 機能がデフォルトになっています。管理者は「システム管理」ページの「デフォルトの外観」タブにあるテナント全体の会話分析のトグルをオンにしてJust Ask を有効にします。QRC 2025Q1より、Just Askはデフォルトで有効化されています。 SAP DatasphereエンドユーザーがSAP Datasphere分析モデルと分析データセットを選択するには、SAP Datasphere接続を作成する必要があります。エンドユーザーには、接続:読み取り権限を持つSAP Analytics Cloudロールが割り当てられている必要があります。エンドユーザーは、SAP Datasphereユーザーアカウントを持ち、少なくとも1つのスペースのメンバーであり、モデルを読み取る権限を持っている必要があります。詳細については、次のドキュメントを参照してください:https://help.sap.com/docs/SAP_ANALYTICS_CLOUD/00f68c2e08b941f081002fd3691d86a7/ad4281e2875949f0b4d45… ロールアウトの準備データモデリングJust Askを有効にする前に、管理者は、データモデルをJust Askに追加する必要があります。場合によっては、ストーリー作成向けに設計された既存のデータモデルがJust Askでのユーザーの要件に適さない場合があり、Just Askでの使用に特化したモデリング作業が必要になる場合があります。たとえば、モデルで公開されるエンティティが多すぎる場合や、専門知識を必要とする意味を持つエンティティがある場合、モデルにユーザーが期待するメジャーや計算が含まれていない場合などです。 同義語モデリング作業を補完し、エンドユーザーが使用し慣れている用語に合わせてカスタマイズするために、管理者はモデルエンティティとディメンション名の同義語を定義できます。ディメンション名の同義語の定義ディメンション名に同義語を定義します。 ルールエンドユーザーの質問に、質問に含まれていない暗黙のコンテキストが含まれている場合、ルールを使用して適切な回答を提供できます。たとえば、ユーザーは顧客訪問と旅費の関係について「顧客訪問と旅費を表示してください」と質問しますが、探しているのは「営業担当者による顧客訪問と旅費を表示してください」というような状況です。ルール条件はJust Askに対する質問で使用される用語に基づいており、条件が満たされると、結果の並べ替え、フィルターの追加、エンティティの削除などのアクションが実行されます。 権限管理データモデルは、その同義語とルールとともに、特定のユーザーを対象としています。特定のモデルにアクセスできるのは対象ユーザーのみに制限するために細心の注意を払う必要があります。Just Askの管理画面で必要なモデルだけを追加するまたは不要なものを除外することや、SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere でモデルアクセス権が適切に定義されていることを確認することが望ましいです。ロールアウト対象ユーザーと対象データモデルごとに段階的なアプローチで公開することが可能です。現在、Just Askではモデルのメタデータ情報を検索することはできないため上記の手順に加えて、ユーザーがデータモデルを理解できるようにトレーニングや資料作成を行うのが望ましい場合もあります。本ブログではSAP Analytics Cloud Just Ask機能の概要をご紹介しました。   Read More Technology Blogs by SAP articles 

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