SAP Business Data Cloud: オブジェクトストア 入門編

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はじめに

SAP Business Data CloudではSAPのビジネスアプリケーション間のデータを共通のデータモデルとしてデータセットおよびセマンティック(項目名の用語や意味合い)を整え、SAP データプロダクトとして提供します。また、お客様独自の要件やデータソースに対してはカスタムデータプロダクトを作成することができます。

これによりSAPアプリケーションのデータだけでなく、SAP以外のデータも整備しAIエージェントに必要なデータとして提供できるため、ダッシュボードでデータを可視化するだけではなく、Jouleを使いながら対話形式でさらなるデータ分析の深堀やインサイトを得るなどデータ活用の幅を広げることができます。

そのような独自要件に則ったカスタムデータプロダクトの作成はSAP Datasphereの機能を用いて行いますが、本ブログではカスタムデータプロダクトの作成を行う領域にあたるSAP Datasphereのオブジェクトストアに関してご紹介いたします。

概要

オブジェクトストアは安価な受信ステージングエリアで大量のデータをロードおよび準備することを目的としており、以下の前提があります。

ビュー、データフロー、データアクセス制御、分析モデル、インテリジェントルックアップ、E/R モデルを作成したり、ビジネスビルダを使用したりすることはできません。

CSV ファイル、エンティティ、リモートテーブル、または通貨換算テーブルはインポートできません。SAP HANA スマートデータアクセスおよび SAP HANA スマートデータインテグレーションは、ストレージタイプが SAP HANA データベース (ディスクおよびインメモリ) のスペースでのみ使用されるため、適用されません 。

また、データは複製フロー、BWデータプロダクトジェネレーターを介してロードすることができます。

その他オブジェクトストアに関する詳細情報は以下もご確認下さい。

オブジェクトストアでのデータの取得および準備 
3538038 – SAP Datasphere オブジェクトストアの重要な考慮事項

本ブログでは接続を介したS/4HANAなどの外部システムから複製フローによりデータをオブジェクトストアへロードする方法をご紹介いたします。

オブジェクトストアスペースの作成複製フローの作成マージタスクの実行スペースへの共有

オブジェクトストアの作成

管理者ロールを持つユーザーは安価なステージングエリアで大量のデータをロードおよび準備することを目的としたオブジェクトストアにスペースを作成することができます。

オブジェクトスペースの作成は「スペース管理」>「作成」より可能です。

スペース名やストレージタイプを選択します。

オブジェクトストアスペースの作成には「SAP HANAデータレイクファイル」を選択し「作成」します。

複製フローの作成

複製フローの作成・実行により空のターゲットテーブルが作成されます。この時点ではデータはターゲットテーブルへはロードされません。

(複製フローに関してはこちらのブログシリーズも併せてご確認ください:複製フローPart1: 複製フロー概要)

*注:オブジェクトストアの使用にはいくつかの考慮事項があります。例えば、複製フローの作成にはデルタ抽出可能なソースのみに対応している等いくつかの考慮事項があるため、次のSAP Note より詳細をご確認下さい。3538038 – SAP Datasphere オブジェクトストアの重要な考慮事項

マージタスクの実行

複製フローは、ターゲットテーブル の受信バッファにデータファイルを書き込みます。この受信バッファからローカルテーブル へのデータ更新を処理してデータを表示するには、①データ統合モニタよりマージタスクの実行あるいは➁タスクチェーンの作成によるマージタスクの実行が必要です。

①データ統合モニタよりマージタスクの実行

「データ統合モニタ」を表示すると以下のようにローカルテーブルにレコードが挿入されていないことが分かります。

画面右の「>」よりローカルテーブルの詳細を開きます。

「テーブルをマージ」よりマージタスクの実行が可能です。

また、以下のように日時や週次でのスケジュールを設定することも可能です。

➁タスクチェーンの作成によるマージタスクの実行

アクティビティに「マージ」を選択しタスクチェーンの作成・実行をします。

「①データ統合モニタよりマージタスクの実行」あるいは「➁タスクチェーンの作成によるマージタスクの実行」により受信バッファからローカルテーブルにデータが書き込まれ、レコードが挿入されます。

スペースへの共有

オブジェクトスペース内では変換フローを用いてテーブルの結合など変換を適用することができ、その後テーブルをスペースと共有することでフローやビュー、また分析モデルのソースとして利用することができます。

オブジェクトストアより共有されたテーブルをソースとしてモデリングや分析モデルの作成、SAP Analytics Cloudでのデータ参照も可能ですが、データフローや変換フローを用いてスペース内でデータを保持することでよりパフォーマンスを高く利用が可能です。

さいごに

最後までご覧いただきありがとうございました!

以下に関連する情報を記載していますので、併せてご確認ください。

オブジェクトストアでのデータの取得および準備 3538038 – SAP Datasphere オブジェクトストアの重要な考慮事項

複製フロー解説ブログシリーズ:

複製フローPart1: 複製フロー概要複製フローPart2 : デルタキャプチャと変換フロー 

​ はじめにSAP Business Data CloudではSAPのビジネスアプリケーション間のデータを共通のデータモデルとしてデータセットおよびセマンティック(項目名の用語や意味合い)を整え、SAP データプロダクトとして提供します。また、お客様独自の要件やデータソースに対してはカスタムデータプロダクトを作成することができます。これによりSAPアプリケーションのデータだけでなく、SAP以外のデータも整備しAIエージェントに必要なデータとして提供できるため、ダッシュボードでデータを可視化するだけではなく、Jouleを使いながら対話形式でさらなるデータ分析の深堀やインサイトを得るなどデータ活用の幅を広げることができます。そのような独自要件に則ったカスタムデータプロダクトの作成はSAP Datasphereの機能を用いて行いますが、本ブログではカスタムデータプロダクトの作成を行う領域にあたるSAP Datasphereのオブジェクトストアに関してご紹介いたします。概要オブジェクトストアは安価な受信ステージングエリアで大量のデータをロードおよび準備することを目的としており、以下の前提があります。ビュー、データフロー、データアクセス制御、分析モデル、インテリジェントルックアップ、E/R モデルを作成したり、ビジネスビルダを使用したりすることはできません。CSV ファイル、エンティティ、リモートテーブル、または通貨換算テーブルはインポートできません。SAP HANA スマートデータアクセスおよび SAP HANA スマートデータインテグレーションは、ストレージタイプが SAP HANA データベース (ディスクおよびインメモリ) のスペースでのみ使用されるため、適用されません 。また、データは複製フロー、BWデータプロダクトジェネレーターを介してロードすることができます。その他オブジェクトストアに関する詳細情報は以下もご確認下さい。オブジェクトストアでのデータの取得および準備 3538038 – SAP Datasphere オブジェクトストアの重要な考慮事項本ブログでは接続を介したS/4HANAなどの外部システムから複製フローによりデータをオブジェクトストアへロードする方法をご紹介いたします。オブジェクトストアスペースの作成複製フローの作成マージタスクの実行スペースへの共有オブジェクトストアの作成管理者ロールを持つユーザーは安価なステージングエリアで大量のデータをロードおよび準備することを目的としたオブジェクトストアにスペースを作成することができます。オブジェクトスペースの作成は「スペース管理」>「作成」より可能です。スペース名やストレージタイプを選択します。オブジェクトストアスペースの作成には「SAP HANAデータレイクファイル」を選択し「作成」します。複製フローの作成複製フローの作成・実行により空のターゲットテーブルが作成されます。この時点ではデータはターゲットテーブルへはロードされません。(複製フローに関してはこちらのブログシリーズも併せてご確認ください:複製フローPart1: 複製フロー概要)*注:オブジェクトストアの使用にはいくつかの考慮事項があります。例えば、複製フローの作成にはデルタ抽出可能なソースのみに対応している等いくつかの考慮事項があるため、次のSAP Note より詳細をご確認下さい。3538038 – SAP Datasphere オブジェクトストアの重要な考慮事項マージタスクの実行複製フローは、ターゲットテーブル の受信バッファにデータファイルを書き込みます。この受信バッファからローカルテーブル へのデータ更新を処理してデータを表示するには、①データ統合モニタよりマージタスクの実行あるいは➁タスクチェーンの作成によるマージタスクの実行が必要です。①データ統合モニタよりマージタスクの実行「データ統合モニタ」を表示すると以下のようにローカルテーブルにレコードが挿入されていないことが分かります。画面右の「>」よりローカルテーブルの詳細を開きます。「テーブルをマージ」よりマージタスクの実行が可能です。また、以下のように日時や週次でのスケジュールを設定することも可能です。➁タスクチェーンの作成によるマージタスクの実行アクティビティに「マージ」を選択しタスクチェーンの作成・実行をします。「①データ統合モニタよりマージタスクの実行」あるいは「➁タスクチェーンの作成によるマージタスクの実行」により受信バッファからローカルテーブルにデータが書き込まれ、レコードが挿入されます。スペースへの共有オブジェクトスペース内では変換フローを用いてテーブルの結合など変換を適用することができ、その後テーブルをスペースと共有することでフローやビュー、また分析モデルのソースとして利用することができます。オブジェクトストアより共有されたテーブルをソースとしてモデリングや分析モデルの作成、SAP Analytics Cloudでのデータ参照も可能ですが、データフローや変換フローを用いてスペース内でデータを保持することでよりパフォーマンスを高く利用が可能です。さいごに最後までご覧いただきありがとうございました!以下に関連する情報を記載していますので、併せてご確認ください。オブジェクトストアでのデータの取得および準備 3538038 – SAP Datasphere オブジェクトストアの重要な考慮事項複製フロー解説ブログシリーズ:複製フローPart1: 複製フロー概要複製フローPart2 : デルタキャプチャと変換フロー   Read More Technology Blog Posts by SAP articles 

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