はじめに
SAP Build Process Automation(SBPA)は、ノーコードで業務プロセスを素早く自動化できる強力なツールです。
本記事では、SAP Cloud Identity Services – Identity Authentication (以下、SAP IAS)で定義したユーザーグループを宛先として、複数のユーザーに対して承認依頼を送るプロセスの構築手順を、画面キャプチャとともに紹介します。
ステップ①:SAP IASでユーザーグループを作成・設定する
まず、承認先となるユーザーグループをSAP IASの管理画面から作成します。
1. グループの作成
SAP IAS管理画面で「Create Group」から新しいグループを作成します。
Name / Display Name:Demo_ManagersDescription:マネージャー用のユーザーグループ
2. アプリケーションとの関連付け
このグループをSAP Build Process Automationに紐づけます。
Application:SAP Build Process AutomationGroup Type:userGroupSupported Operations:readWrite
3. 内容を確認し、「Finish」で確定
ステップ②:グループにユーザーをアサインする
承認を担当するユーザーをグループに追加します。ここでは、マネージャーAとマネージャーBをアサインしています。
これで、SAP Build Process Automationからこのグループを指定して承認依頼を送る準備が整いました。
ステップ③:申請フォーム(startForm)を作成する
次に、申請者が入力するフォームをSAP Build Process Automationで作成します。
フォーム構成:
送付先グループ(ドロップダウン)値:Demo_Managers / Demo_Finance / Demo_HR(今回は手動定義とします)必須:ON備考(テキストエリア)
テストの目的で、申請者がどのグループに依頼を出すかを選べる構成とします。
ステップ④:承認フォーム(ApprovalForm)を作成する
承認者が内容を確認し、処理するための画面を作成します。
備考欄を表示(読み取り専用)「承認」「却下」ボタン
ステップ⑤:ワークフローを構築する
フォームが完成したら、ワークフロー全体を組み立てます。
プロセス構成:
Trigger(startForm)Approvalステップ(ApprovalForm)承認/却下の分岐End
承認ステップの設定:
Approval Form:ApprovalFormRecipients > Groups:startFormの「送付先グループ」の値をバインド
ステップ⑥:実行と挙動の確認
1. 申請画面(申請者がグループを選択して送信)
2. 承認者A/BのInboxにタスクが届く
マネージャーAのInbox画面
マネージャーBのInbox画面
申請はグループ全員に配信され、誰か1人が対応すれば完了です。
ちなみに、画面右下にある「Claim」ボタンを使えば、タスクを「自分が担当します」と宣言できます。Claimされたタスクは他のメンバーのInboxから非表示になり、二重対応の防止や担当の明確化に役立ちます。
承認者Bにより「Claim」されると、他の承認者のInboxからは承認タスクが見えなくなります。
まとめ
SAP Build Process AutomationとSAP IASを連携することで、ユーザーグループ単位での柔軟な承認フローをノーコードで構築できます。
以下の流れでステップバイステップに対応可能です:
SAP IASでグループを作成し、ユーザーをアサインSAP Build Process Automationで申請フォームと承認フォームを作成グループに対してしたワークフローを構築グループに属する誰かが処理できる
業務チームや部門単位での柔軟な承認プロセス設計に、ぜひご活用ください。
はじめにSAP Build Process Automation(SBPA)は、ノーコードで業務プロセスを素早く自動化できる強力なツールです。本記事では、SAP Cloud Identity Services – Identity Authentication (以下、SAP IAS)で定義したユーザーグループを宛先として、複数のユーザーに対して承認依頼を送るプロセスの構築手順を、画面キャプチャとともに紹介します。ステップ①:SAP IASでユーザーグループを作成・設定するまず、承認先となるユーザーグループをSAP IASの管理画面から作成します。1. グループの作成SAP IAS管理画面で「Create Group」から新しいグループを作成します。Name / Display Name:Demo_ManagersDescription:マネージャー用のユーザーグループ2. アプリケーションとの関連付けこのグループをSAP Build Process Automationに紐づけます。Application:SAP Build Process AutomationGroup Type:userGroupSupported Operations:readWrite3. 内容を確認し、「Finish」で確定 ステップ②:グループにユーザーをアサインする承認を担当するユーザーをグループに追加します。ここでは、マネージャーAとマネージャーBをアサインしています。これで、SAP Build Process Automationからこのグループを指定して承認依頼を送る準備が整いました。ステップ③:申請フォーム(startForm)を作成する次に、申請者が入力するフォームをSAP Build Process Automationで作成します。フォーム構成:送付先グループ(ドロップダウン)値:Demo_Managers / Demo_Finance / Demo_HR(今回は手動定義とします)必須:ON備考(テキストエリア)テストの目的で、申請者がどのグループに依頼を出すかを選べる構成とします。ステップ④:承認フォーム(ApprovalForm)を作成する承認者が内容を確認し、処理するための画面を作成します。備考欄を表示(読み取り専用)「承認」「却下」ボタンステップ⑤:ワークフローを構築するフォームが完成したら、ワークフロー全体を組み立てます。プロセス構成:Trigger(startForm)Approvalステップ(ApprovalForm)承認/却下の分岐End承認ステップの設定:Approval Form:ApprovalFormRecipients > Groups:startFormの「送付先グループ」の値をバインドステップ⑥:実行と挙動の確認1. 申請画面(申請者がグループを選択して送信)2. 承認者A/BのInboxにタスクが届くマネージャーAのInbox画面マネージャーBのInbox画面申請はグループ全員に配信され、誰か1人が対応すれば完了です。ちなみに、画面右下にある「Claim」ボタンを使えば、タスクを「自分が担当します」と宣言できます。Claimされたタスクは他のメンバーのInboxから非表示になり、二重対応の防止や担当の明確化に役立ちます。承認者Bにより「Claim」されると、他の承認者のInboxからは承認タスクが見えなくなります。まとめSAP Build Process AutomationとSAP IASを連携することで、ユーザーグループ単位での柔軟な承認フローをノーコードで構築できます。以下の流れでステップバイステップに対応可能です:SAP IASでグループを作成し、ユーザーをアサインSAP Build Process Automationで申請フォームと承認フォームを作成グループに対してしたワークフローを構築グループに属する誰かが処理できる業務チームや部門単位での柔軟な承認プロセス設計に、ぜひご活用ください。 Read More Technology Blog Posts by SAP articles
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