コーポレートサステナビリティの推進:クラウド ERP Financials に沿った温室効果ガス排出量計画

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このブログは、Driving Corporate Sustainability: Greenhouse Gas Emission Planning along Cloud ERP Financialsを日本語訳したものになります。

 

はじめに

SAP Analytics Cloud の2024年第1四半期ビジネスコンテンツリリースでは、クラウド ERP の温室効果ガス排出量も含めるために、「統合財務計画」のビジネスコンテンツを拡張しています。この拡張は、企業が将来の企業および製品のカーボンフットプリントを計画するのに役立ち、SAP のグリーン元帳に向けた重要なステップの1つです。

※ビジネスコンテンツ「統合財務計画」の既存の計画モデルに新たに温室効果ガスカテゴリ等のディメンションが追加されています。また、計画モデルの拡張に合わせて既存のデータアクションのロジックも変更されています。

この投稿では、これが企業事業計画プロセスにどのように組み込まれているかを紹介します。さらに、販売、生産、および財務データを使用してシナリオをシミュレートし、さまざまなドライバパラメータ (原材料やエネルギー源の排出係数など) に基づいて予想される結果を予測する方法についても詳しく説明します。企業は、このデータを使用してサステナビリティ目標を達成し、特定のアクション領域を特定し、財務上の影響を管理することができます。

サステナビリティメトリクスを財務計画プロセスに統合することで、サステナビリティ目標の達成、コストの最適化、および会社の長期的な価値の創出に役立ちます。

1:グリーン元帳に沿った GHG 計画

この図は、SAP Analytics Cloud による温室効果ガス排出量計画で販売数量、品目資源、または費用計画を使用して製品および企業フットプリントを計算する方法を示しています。ソリューションを SAP Sustainability Footprint Management と統合して、計画プロセスに必要な製品排出量データを取得することができます。S/4HANA の財務プロセスで実際の温室効果ガス排出量を計上する予定の SAP Green Ledger(SAP Carbon Accounting Hub) と組み合わせることで、SAP Analytics Cloud はグリーン元帳に向けた重要な一歩となります。

主な利点:

ビジネス運営および計画モデルの一環としての温室効果ガス排出量の運用化財務に関連する企業および製品のフットプリントを計画し、適宜計画および最適化販売計画や生産計画などのエンタープライズ事業計画に統合された温室効果ガス排出量計画を設定し、温室効果ガス排出量に関連する財務リスクとコストを特定回復力、持続可能性、収益性の高いビジネスモデルを実現し、企業の長期的な価値を保護さまざまなシナリオに基づいて、企業の温室効果ガス排出量をシミュレートおよび予測温室効果ガス排出量を、財務計画および予測と緊密に連携

 

温室効果ガス排出量計画の開始

SAP Analytics Cloud の統合財務計画を開始するために、SAP ではデモデータが付属するビジネスコンテンツを提供しています。このデモデータを使用すると、SAP Analytics Cloud で財務計画ストーリーと機能を即座に探索することができます。さらに、ビジネスコンテンツには、SAP Analytics Cloud へのデータのインポート、および SAP S/4HANA Cloud または SAP S/4HANA へのデータのエクスポートを可能にする事前定義済の接続が含まれています。ビジネスコンテンツを理解したら、デモデータを削除し、SAP S/4HANA および S/4HANA Cloud システムの独自のマスタデータおよび実績データに置き換えることができます。

本ブログで紹介するSAP Analytics Cloud のビジネスコンテンツの名称は、 Integrated Financial Planning for SAP S/4HANA (xP&A – Integrated Financial Planning for SAP S/4HANA and SAP S/4HANA Cloud)です。

ビジネスコンテンツは、SAP Analytics Cloud コンテンツライブラリから利用できます。コンテンツネットワークからビジネスコンテンツを取得する方法に関するビデオを視聴し、SAC ビジネスコンテンツをインストールおよび更新する方法、およびSAP Analytics Cloudのビジネスコンテンツの探し方とインストール手順を確認してください。

 

概要ランディングページおよびデータフロー

温室効果ガス排出量計画のプロセスは、財務計画に完全に統合されています。そのため、統合財務計画のランディングページが温室効果ガス排出量計画の領域によって拡張されました。排出係数と評価を計画するためのストーリーと、配分、活動率、および間接費に関するストーリーが提供されます。その結果、完全な 温室効果ガス排出のスコープに関するステートメントと、財務構造に沿った CO2 換算量を含む財務諸表およびキャッシュフロー計算書が生成されます。

2IFP および GHG ランディングページ

以下の図は、温室効果ガス排出量計画ストーリーのデータフローを示しています。これには、ランディングページからもアクセスできます。

3GHG データフロー

計画プロセスを容易にするために、コンテンツ拡張には 2 つの追加ストーリーが付属しています。1 つ目は、温室効果ガス排出係数の計画および評価ストーリーです。これにより、消費金額および活動タイプごとに、構成品目数量単位および原価センタ係数ごとに原材料の係数を入力することができます。これらの係数は、原材料および原価センタごとの二酸化炭素換算量 (CO2e) の計算に使用されます。2 つ目は、原価センタおよび製品への温室効果ガス排出量配分ストーリーです。これにより、原材料および原価センタの CO2e を計算して、二酸化炭素換算量 (CO2e) 活動および製品のレートを決定することができます。これらのレートは、進行中の期間中、つまり実際の CO2e 値が判明する前に、製品、原価センタ、および財務諸表を評価するために使用できます。

温室効果ガス排出量計画のインタラクティブなプロセスグラフィックを参照してください。

4GHG 計画プロセスの対話式グラフィック

 

温室効果ガス排出係数の計画および評価

温室効果ガス排出係数計画および評価のストーリーでは、原材料および原価センタ業務の係数を入力して、その二酸化炭素換算量 (CO2e) を計算することができます。ストーリーはさまざまなタブに分かれており、対話式プロセスグラフィックのプロセスステップを反映しています。

5GHG 排出係数の計画と評価

関連する計画から CO2e をコピーし、原価センタ CO2e を計算し、原材料 CO2e を計算するためのデータアクションが提供されます。計算機能には、費用ベース係数と CO2e の対応する金額を乗算し、活動基準係数を数量で乗算することが含まれます。原材料の場合、CO2e G/L 勘定ごとに数量に CO2e を乗算して計算されます。

6: 原価センタ CO2e の計算

結果は、二酸化炭素換算量の合計を反映した温室効果ガススコープステートメントです。

7GHG スコープステートメント

 

原価センタおよび製品への温室効果ガス排出配分

原価センタおよび製品への温室効果ガス排出量配分ストーリーでは、製品および活動率を見積もるために、原材料および原価センタの CO2 換算 (CO2e) が計算されます。これらは、実績 CO2e 値が判明する前の特定期間における製品、原価センタ、および財務諸表の評価に使用されます。必須の前提条件には、温室効果ガス (GHG) 排出係数の計画および評価が含まれます。

8:コストセンタおよび製品への温室効果ガス排出量の配分

このツールには、原価センタ CO2e、活動依存原価センタ CO2e、合計活動消費量、CO2e 活動率、製品 CO2e 率、製造間接費、製品への販売および管理 CO2e 配分、原材料 CO2e、製品 CO2e、および合計 CO2e など、さまざまなデータを計算および表示するためのタブが含まれています。最後に、CO2e 活動率を SAP S/4HANA Cloud ACCOSTRATE にエクスポート(詳細は製品ヘルプ参照)することができます。

9CO2e 活動率の計算

10:製品 CO2e の計算

データアクションを使用して、原価センタ CO2e の原価センタへの配分、活動単位ごとの原価センタ CO2e の計算、合計製造間接費 CO2e のコピーによる原価センタの適切な貸方転記、CO2e 支出係数と販売数量の乗算による合計 CO2e 間接費の計算などのさまざまな計算が実行されます。

11:原価センタ CO2e の表示

最後に、原価センタ販売および管理 CO2e は、計画総収益に基づいてプラントおよび製品に割り当てられ、完全な計画結果が 3 つの報告書に反映されます。これらは、GHG スコープステートメント、財務諸表、および CO2e を含むキャッシュフロー計算書です。

12:スコープ、財務およびキャッシュフロー計算書としての合計 CO2e の表示

 

まとめ

温室効果ガス排出量計画を SAP S/4HANA 統合財務計画に組み込むことで、企業は経済的サステナビリティ目標とともにサステナビリティ戦略を実行できるようになります。SAP Analytics Cloud の機能に基づくこの高度な計画、シミュレーション、および予測ツールにより、温室効果ガス管理が拡張され、温室効果ガス排出量に関連する財務リスクとコストに関するインサイトが提供されます。全体として、持続可能なビジネスプラクティスと SAP グリーン元帳 に向けた重要なステップです。

 

​ このブログは、Driving Corporate Sustainability: Greenhouse Gas Emission Planning along Cloud ERP Financialsを日本語訳したものになります。 はじめにSAP Analytics Cloud の2024年第1四半期ビジネスコンテンツリリースでは、クラウド ERP の温室効果ガス排出量も含めるために、「統合財務計画」のビジネスコンテンツを拡張しています。この拡張は、企業が将来の企業および製品のカーボンフットプリントを計画するのに役立ち、SAP のグリーン元帳に向けた重要なステップの1つです。※ビジネスコンテンツ「統合財務計画」の既存の計画モデルに新たに温室効果ガスカテゴリ等のディメンションが追加されています。また、計画モデルの拡張に合わせて既存のデータアクションのロジックも変更されています。この投稿では、これが企業事業計画プロセスにどのように組み込まれているかを紹介します。さらに、販売、生産、および財務データを使用してシナリオをシミュレートし、さまざまなドライバパラメータ (原材料やエネルギー源の排出係数など) に基づいて予想される結果を予測する方法についても詳しく説明します。企業は、このデータを使用してサステナビリティ目標を達成し、特定のアクション領域を特定し、財務上の影響を管理することができます。サステナビリティメトリクスを財務計画プロセスに統合することで、サステナビリティ目標の達成、コストの最適化、および会社の長期的な価値の創出に役立ちます。図 1:グリーン元帳に沿った GHG 計画この図は、SAP Analytics Cloud による温室効果ガス排出量計画で販売数量、品目資源、または費用計画を使用して製品および企業フットプリントを計算する方法を示しています。ソリューションを SAP Sustainability Footprint Management と統合して、計画プロセスに必要な製品排出量データを取得することができます。S/4HANA の財務プロセスで実際の温室効果ガス排出量を計上する予定の SAP Green Ledger(SAP Carbon Accounting Hub) と組み合わせることで、SAP Analytics Cloud はグリーン元帳に向けた重要な一歩となります。主な利点:ビジネス運営および計画モデルの一環としての温室効果ガス排出量の運用化財務に関連する企業および製品のフットプリントを計画し、適宜計画および最適化販売計画や生産計画などのエンタープライズ事業計画に統合された温室効果ガス排出量計画を設定し、温室効果ガス排出量に関連する財務リスクとコストを特定回復力、持続可能性、収益性の高いビジネスモデルを実現し、企業の長期的な価値を保護さまざまなシナリオに基づいて、企業の温室効果ガス排出量をシミュレートおよび予測温室効果ガス排出量を、財務計画および予測と緊密に連携 温室効果ガス排出量計画の開始SAP Analytics Cloud の統合財務計画を開始するために、SAP ではデモデータが付属するビジネスコンテンツを提供しています。このデモデータを使用すると、SAP Analytics Cloud で財務計画ストーリーと機能を即座に探索することができます。さらに、ビジネスコンテンツには、SAP Analytics Cloud へのデータのインポート、および SAP S/4HANA Cloud または SAP S/4HANA へのデータのエクスポートを可能にする事前定義済の接続が含まれています。ビジネスコンテンツを理解したら、デモデータを削除し、SAP S/4HANA および S/4HANA Cloud システムの独自のマスタデータおよび実績データに置き換えることができます。本ブログで紹介するSAP Analytics Cloud のビジネスコンテンツの名称は、 Integrated Financial Planning for SAP S/4HANA (xP&A – Integrated Financial Planning for SAP S/4HANA and SAP S/4HANA Cloud)です。ビジネスコンテンツは、SAP Analytics Cloud コンテンツライブラリから利用できます。コンテンツネットワークからビジネスコンテンツを取得する方法に関するビデオを視聴し、SAC ビジネスコンテンツをインストールおよび更新する方法、およびSAP Analytics Cloudのビジネスコンテンツの探し方とインストール手順を確認してください。 概要 – ランディングページおよびデータフロー温室効果ガス排出量計画のプロセスは、財務計画に完全に統合されています。そのため、統合財務計画のランディングページが温室効果ガス排出量計画の領域によって拡張されました。排出係数と評価を計画するためのストーリーと、配分、活動率、および間接費に関するストーリーが提供されます。その結果、完全な 温室効果ガス排出のスコープに関するステートメントと、財務構造に沿った CO2 換算量を含む財務諸表およびキャッシュフロー計算書が生成されます。図 2:IFP および GHG ランディングページ以下の図は、温室効果ガス排出量計画ストーリーのデータフローを示しています。これには、ランディングページからもアクセスできます。図 3:GHG データフロー計画プロセスを容易にするために、コンテンツ拡張には 2 つの追加ストーリーが付属しています。1 つ目は、温室効果ガス排出係数の計画および評価ストーリーです。これにより、消費金額および活動タイプごとに、構成品目数量単位および原価センタ係数ごとに原材料の係数を入力することができます。これらの係数は、原材料および原価センタごとの二酸化炭素換算量 (CO2e) の計算に使用されます。2 つ目は、原価センタおよび製品への温室効果ガス排出量配分ストーリーです。これにより、原材料および原価センタの CO2e を計算して、二酸化炭素換算量 (CO2e) 活動および製品のレートを決定することができます。これらのレートは、進行中の期間中、つまり実際の CO2e 値が判明する前に、製品、原価センタ、および財務諸表を評価するために使用できます。温室効果ガス排出量計画のインタラクティブなプロセスグラフィックを参照してください。図 4:GHG 計画プロセスの対話式グラフィック 温室効果ガス排出係数の計画および評価温室効果ガス排出係数計画および評価のストーリーでは、原材料および原価センタ業務の係数を入力して、その二酸化炭素換算量 (CO2e) を計算することができます。ストーリーはさまざまなタブに分かれており、対話式プロセスグラフィックのプロセスステップを反映しています。図 5:GHG 排出係数の計画と評価関連する計画から CO2e をコピーし、原価センタ CO2e を計算し、原材料 CO2e を計算するためのデータアクションが提供されます。計算機能には、費用ベース係数と CO2e の対応する金額を乗算し、活動基準係数を数量で乗算することが含まれます。原材料の場合、CO2e は G/L 勘定ごとに数量に CO2e を乗算して計算されます。図 6: 原価センタ CO2e の計算結果は、二酸化炭素換算量の合計を反映した温室効果ガススコープステートメントです。図 7:GHG スコープステートメント 原価センタおよび製品への温室効果ガス排出配分原価センタおよび製品への温室効果ガス排出量配分ストーリーでは、製品および活動率を見積もるために、原材料および原価センタの CO2 換算 (CO2e) が計算されます。これらは、実績 CO2e 値が判明する前の特定期間における製品、原価センタ、および財務諸表の評価に使用されます。必須の前提条件には、温室効果ガス (GHG) 排出係数の計画および評価が含まれます。図 8:コストセンタおよび製品への温室効果ガス排出量の配分このツールには、原価センタ CO2e、活動依存原価センタ CO2e、合計活動消費量、CO2e 活動率、製品 CO2e 率、製造間接費、製品への販売および管理 CO2e 配分、原材料 CO2e、製品 CO2e、および合計 CO2e など、さまざまなデータを計算および表示するためのタブが含まれています。最後に、CO2e 活動率を SAP S/4HANA Cloud の ACCOSTRATE にエクスポート(詳細は製品ヘルプ参照)することができます。図 9:CO2e 活動率の計算図 10:製品 CO2e の計算’データアクション’ を使用して、原価センタ CO2e の原価センタへの配分、活動単位ごとの原価センタ CO2e の計算、合計製造間接費 CO2e のコピーによる原価センタの適切な貸方転記、CO2e 支出係数と販売数量の乗算による合計 CO2e 間接費の計算などのさまざまな計算が実行されます。図 11:原価センタ CO2e の表示最後に、原価センタ販売および管理 CO2e は、計画総収益に基づいてプラントおよび製品に割り当てられ、完全な計画結果が 3 つの報告書に反映されます。これらは、GHG スコープステートメント、財務諸表、および CO2e を含むキャッシュフロー計算書です。図 12:スコープ、財務およびキャッシュフロー計算書としての合計 CO2e の表示 まとめ温室効果ガス排出量計画を SAP S/4HANA 統合財務計画に組み込むことで、企業は経済的サステナビリティ目標とともにサステナビリティ戦略を実行できるようになります。SAP Analytics Cloud の機能に基づくこの高度な計画、シミュレーション、および予測ツールにより、温室効果ガス管理が拡張され、温室効果ガス排出量に関連する財務リスクとコストに関するインサイトが提供されます。全体として、持続可能なビジネスプラクティスと SAP の グリーン元帳 に向けた重要なステップです。   Read More Technology Blogs by SAP articles 

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