本ブログはSeamless planning between SAP Analytics Cloud and SAP Datasphere is coming! Controlled release in Q4を和訳したものです。
イントロダクション
SAPは更なるデータ活用のユースケースに貢献するために、SAP Analytics CloudとSAP Datasphereの 『Seamless Planning/シームレスプランニング』の開発に取り組んできました。これまでSAP Analytics Cloudの計画モデルをSAP Datasphereで利用する場合、SAP Datasphereに複製する必要がありましたが、今後Seamless PlanningによってSAP Datasphereに直接保管し活用することができます。 (Controlled Release時点)
このブログでは、Seamless Planningのコンセプト、現在のスコープ、将来の計画、前提条件、リリーススケジュールの概要を説明します。その他の詳細については、別のブログのFAQで説明していますのでご確認ください。
Seamless Planning- 概要と機能
Seamless Planningとは
Seamless Planningは、SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere間の新しいアプローチです。これは新製品ではありません。Seamless Planningでは、SAP Analytics Cloudのモデルのデータ (ファクトおよびマスタデータ) をSAP Datasphereに直接保存することができます。これにより、データフットプリントが削減され、SAP Datasphereの機能を使用してリアルタイムな計算処理、高度なデータ加工処理等の拡張を行うことができます。
またSAP Analytics Cloudでは、モデル構造の定義、モデルのメタデータの所有、計算の定義、計画プロセスなどを引き続き行うことができます。SAP Analytics Cloudのモデラで新しいモデルおよび公開ディメンションテーブルの作成時やコンテンツのインポート時に、SAP Datasphereのデータストレージを選択して保管することができるようになります。また、SAP DatasphereでSAP Analytics Cloudのオブジェクトの表示制御を行うこともできます。これらのオブジェクトは、SAP Datasphereでは読み取り専用で連携されます。
Seamless Planningの方針は、シンプルで一元化されたデータプラットフォームで計画と分析を可能にすることで、アクションまでの時間を短縮し、さまざまな業務部門にわたるコラボレーションを促進することです。これにより、拡張計画および分析 (xP&A) が更に促進されます。
Controlled Releaseには何が含まれていますか。(制限事項を含む)
Seamless PlanningのControlled Release (制限つき初期リリース) *では、計画モデルの保管場所としてSAP Datasphereのスペースを選択できるようになります。これはモデルごとに選択可能です。またモデル管理画面内で、SAP Datasphere のデータビルダのファクトデータテーブルまたは固有の公開ディメンションテーブル (もしくはその両方) に公開することができます。さらに、コンテンツネットワークを使用してコンテンツをインポートし、データを SAP Datasphereにデプロイすることもできます。
*Controlled Release(制限つき初期リリース)を利用するためには、条件を満たした上で応募いただく必要があります。(後述)
これにより、以下のメリットを享受できます。
データ冗長性の削減ライブレポートの柔軟性向上:SAP Analytics Cloudとその他のデータソースを統合したSAP Datasphereの分析モデルの活用SAP Datasphereの高度な機能 (SQL エディタによるデータ操作など) を使用した SAP Analytics Cloudの計画の拡張性。またpythonのようなプログラミング言語を活用することも可能です。
ただしSAP Analytics Cloudの計画モデルに対して提供される機能と比較して、Controlled Release時には以下の機能が無効になることに注意してください。SAPは、早急にそれらを対応するよう進めています。
データエクスポートサービスのデルタサブスクリプションは利用できません。 (今後サポート予定)SAP Datasphereモデル上のオブジェクトに対して、新しいメンバーセレクタが表示されません。 (サポート予定: 2025年 第 1 四半期) 地理マップの制限 (今後サポート予定):地理エリアは地理マップに表示されません。地理マップのコロプレスレイヤに表示される地理座標は表示されません。データアナライザのアーティファクトが SAP Datasphereのスペースに含まれている場合、コンテンツネットワークのインポートパッケージを SAP Datasphereのスペースに再ポイントすることはできません。 (サポート予定: 2025年 第 1 四半期)
また、Controlled Release後のリリースでは削除する機能制限がいくつかあります。
複数のモデル間で公開ディメンションを共有できるのは、モデルと公開ディメンションが同じ SAP Datasphereのスペースにデプロイされている場合のみです。通貨レートテーブルについても同様です。階層は SAP Datasphere に公開されません。必要な場合は、SAP Datasphere で再構築する必要があります。SAP Analytics Cloudのモデル間計画アクティビティ (データアクションのモデル間コピーステップなど) は、必要なモデルが同じ永続性(SAP Analytics Cloud に全てある、または SAP Datasphereに全てある) で、同じSAP Datasphereのスペースにデプロイされている場合にのみ許可されます。
今後どのような機能が予定されていますか。
まず、上記の制限を解除するよう進める予定です。次に、データの相互利用の強化・モデリング作業の合理化を行い、多様な計画業務のユースケースに貢献するための付加価値の高い機能を提供予定です。具体的なアイデアを一部ですが以下に記載します。
(ライブ) SAP Datasphereデータの相互利用新しいアーキテクチャへの既存のSAP Analytics Cloudコンテンツの移行サポートSAP Datasphereからのディメンションの再利用マルチアクションおよびタスクチェーンによるSAP Analytics CloudとSAP Datasphere間のワークフローのクロスオーケストレーション
インフラストラクチャおよび前提条件
Seamless Planningを行うための前提条件は何ですか。
Seamless Planningを行うために SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere を接続するには、以下の前提条件が適用されます。
HANA Cloud 上で動作する SAP Analytics CloudであることSAP Analytics Cloud と SAP Datasphere は同じデータセンタにあること。(SAP データセンタの場合は対象外)SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere で同じアイデンティティプロバイダを使用していることSAP Analytics Cloud テナントと SAP Datasphere テナントが、システムオーナーによって 1:1 の関係でリンクされていること
HANA Cloudへの移行に関する詳細をどこで確認できますか。
こちらのブログで詳細を確認してください。
Controlled Releaseと今後の方向性
Controlled Releaseに参加するための条件
もちろん、SAP Analytics Cloud for planningとSAP Datasphereの両方のライセンスを保持する必要があります。またSAP Analytics CloudテナントがHANA Cloudで動作している必要があります。(上記参照)
SAP Analytics Cloud テナントが HANA Cloud で動作されていない場合、Controlled Releaseに参加する方法はありますか。
SAP Analytics Cloudテナントが HANA Cloudで動作されていない場合、Controlled Releaseに参加する唯一の方法は、新しいSAP Analytics Cloudテナントを購入することです。ただし、新しいテナントのデプロイメントは、既存のテナントに合わせて調整されます。そのため、代わりにHANA Cloudにデプロイされるように依頼する必要があります。これを行うには、BTPEA 契約を使用するか、またはアカウントチームと協力して、テナントのプロビジョニングの際に SAP の運用チームによる例外としてフラグを設定してもらうよう依頼をかけてください。
また新しいテナントで構築されたコンテンツを旧テナントに移行すると、移行が困難になることに注意してください。これは、SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere の 1:1 の関係、テナントにさまざまな方法でデプロイされたオブジェクトの冗長性、および SAP Datasphere にビルドされたコンテンツによるものです。そのため、 の HANA Cloud 上の新しいSAP Analytics Cloudテナントを購入するアプローチは PoCの目的でのみ推奨されます。
どうすればサインアップできますか。
登録ページは Customer Influence で利用可能です。詳細はこちらからご確認ください。
一般出荷はいつ予定されていますか。
一般出荷は 2025 年第 1 四半期を予定していますが、HANA Cloud で動作されているSAP Analytics Cloudテナントのみ適用されることに注意してください。HANA Cloudへの移行計画の詳細については、こちらのブログ(上記同様)を参照してください。
まとめ
今後のSeamless PlanningのControlled Releaseは、更なる拡張計画および分析 (xP&A) への道のりのマイルストーンとなります。計画データと実績データがより密に管理されます。SAP Datasphereの機能を使用してSAP Analytics Cloudの機能を拡張することもできます。将来的には、計画ドメイン間でデータをシームレスに交換し、モデリングとデータ管理の作業の合理化および効率化に貢献します。
今回のControlled Releaseに多くのお客様をお迎えし、2025 年にSeamless Planningをご提供できることを楽しみにしています。SAPは、これらを最大限に引き出す追加機能を今後とも提供します。
本ブログはSeamless planning between SAP Analytics Cloud and SAP Datasphere is coming! Controlled release in Q4を和訳したものです。イントロダクションSAPは更なるデータ活用のユースケースに貢献するために、SAP Analytics CloudとSAP Datasphereの 『Seamless Planning/シームレスプランニング』の開発に取り組んできました。これまでSAP Analytics Cloudの計画モデルをSAP Datasphereで利用する場合、SAP Datasphereに複製する必要がありましたが、今後Seamless PlanningによってSAP Datasphereに直接保管し活用することができます。 (Controlled Release時点)このブログでは、Seamless Planningのコンセプト、現在のスコープ、将来の計画、前提条件、リリーススケジュールの概要を説明します。その他の詳細については、別のブログのFAQで説明していますのでご確認ください。 Seamless Planning- 概要と機能Seamless PlanningとはSeamless Planningは、SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere間の新しいアプローチです。これは新製品ではありません。Seamless Planningでは、SAP Analytics Cloudのモデルのデータ (ファクトおよびマスタデータ) をSAP Datasphereに直接保存することができます。これにより、データフットプリントが削減され、SAP Datasphereの機能を使用してリアルタイムな計算処理、高度なデータ加工処理等の拡張を行うことができます。またSAP Analytics Cloudでは、モデル構造の定義、モデルのメタデータの所有、計算の定義、計画プロセスなどを引き続き行うことができます。SAP Analytics Cloudのモデラで新しいモデルおよび公開ディメンションテーブルの作成時やコンテンツのインポート時に、SAP Datasphereのデータストレージを選択して保管することができるようになります。また、SAP DatasphereでSAP Analytics Cloudのオブジェクトの表示制御を行うこともできます。これらのオブジェクトは、SAP Datasphereでは読み取り専用で連携されます。Seamless Planningの方針は、シンプルで一元化されたデータプラットフォームで計画と分析を可能にすることで、アクションまでの時間を短縮し、さまざまな業務部門にわたるコラボレーションを促進することです。これにより、拡張計画および分析 (xP&A) が更に促進されます。 Controlled Releaseには何が含まれていますか。(制限事項を含む)Seamless PlanningのControlled Release (制限つき初期リリース) *では、計画モデルの保管場所としてSAP Datasphereのスペースを選択できるようになります。これはモデルごとに選択可能です。またモデル管理画面内で、SAP Datasphere のデータビルダのファクトデータテーブルまたは固有の公開ディメンションテーブル (もしくはその両方) に公開することができます。さらに、コンテンツネットワークを使用してコンテンツをインポートし、データを SAP Datasphereにデプロイすることもできます。*Controlled Release(制限つき初期リリース)を利用するためには、条件を満たした上で応募いただく必要があります。(後述)これにより、以下のメリットを享受できます。データ冗長性の削減ライブレポートの柔軟性向上:SAP Analytics Cloudとその他のデータソースを統合したSAP Datasphereの分析モデルの活用SAP Datasphereの高度な機能 (SQL エディタによるデータ操作など) を使用した SAP Analytics Cloudの計画の拡張性。またpythonのようなプログラミング言語を活用することも可能です。ただしSAP Analytics Cloudの計画モデルに対して提供される機能と比較して、Controlled Release時には以下の機能が無効になることに注意してください。SAPは、早急にそれらを対応するよう進めています。データエクスポートサービスのデルタサブスクリプションは利用できません。 (今後サポート予定)SAP Datasphereモデル上のオブジェクトに対して、新しいメンバーセレクタが表示されません。 (サポート予定: 2025年 第 1 四半期) 地理マップの制限 (今後サポート予定):地理エリアは地理マップに表示されません。地理マップのコロプレスレイヤに表示される地理座標は表示されません。データアナライザのアーティファクトが SAP Datasphereのスペースに含まれている場合、コンテンツネットワークのインポートパッケージを SAP Datasphereのスペースに再ポイントすることはできません。 (サポート予定: 2025年 第 1 四半期)また、Controlled Release後のリリースでは削除する機能制限がいくつかあります。複数のモデル間で公開ディメンションを共有できるのは、モデルと公開ディメンションが同じ SAP Datasphereのスペースにデプロイされている場合のみです。通貨レートテーブルについても同様です。階層は SAP Datasphere に公開されません。必要な場合は、SAP Datasphere で再構築する必要があります。SAP Analytics Cloudのモデル間計画アクティビティ (データアクションのモデル間コピーステップなど) は、必要なモデルが同じ永続性(SAP Analytics Cloud に全てある、または SAP Datasphereに全てある) で、同じSAP Datasphereのスペースにデプロイされている場合にのみ許可されます。 今後どのような機能が予定されていますか。 まず、上記の制限を解除するよう進める予定です。次に、データの相互利用の強化・モデリング作業の合理化を行い、多様な計画業務のユースケースに貢献するための付加価値の高い機能を提供予定です。具体的なアイデアを一部ですが以下に記載します。(ライブ) SAP Datasphereデータの相互利用新しいアーキテクチャへの既存のSAP Analytics Cloudコンテンツの移行サポートSAP Datasphereからのディメンションの再利用マルチアクションおよびタスクチェーンによるSAP Analytics CloudとSAP Datasphere間のワークフローのクロスオーケストレーション インフラストラクチャおよび前提条件Seamless Planningを行うための前提条件は何ですか。Seamless Planningを行うために SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere を接続するには、以下の前提条件が適用されます。HANA Cloud 上で動作する SAP Analytics CloudであることSAP Analytics Cloud と SAP Datasphere は同じデータセンタにあること。(SAP データセンタの場合は対象外)SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere で同じアイデンティティプロバイダを使用していることSAP Analytics Cloud テナントと SAP Datasphere テナントが、システムオーナーによって 1:1 の関係でリンクされていることHANA Cloudへの移行に関する詳細をどこで確認できますか。こちらのブログで詳細を確認してください。 Controlled Releaseと今後の方向性Controlled Releaseに参加するための条件もちろん、SAP Analytics Cloud for planningとSAP Datasphereの両方のライセンスを保持する必要があります。またSAP Analytics CloudテナントがHANA Cloudで動作している必要があります。(上記参照) SAP Analytics Cloud テナントが HANA Cloud で動作されていない場合、Controlled Releaseに参加する方法はありますか。SAP Analytics Cloudテナントが HANA Cloudで動作されていない場合、Controlled Releaseに参加する唯一の方法は、新しいSAP Analytics Cloudテナントを購入することです。ただし、新しいテナントのデプロイメントは、既存のテナントに合わせて調整されます。そのため、代わりにHANA Cloudにデプロイされるように依頼する必要があります。これを行うには、BTPEA 契約を使用するか、またはアカウントチームと協力して、テナントのプロビジョニングの際に SAP の運用チームによる例外としてフラグを設定してもらうよう依頼をかけてください。また新しいテナントで構築されたコンテンツを旧テナントに移行すると、移行が困難になることに注意してください。これは、SAP Analytics Cloud と SAP Datasphere の 1:1 の関係、テナントにさまざまな方法でデプロイされたオブジェクトの冗長性、および SAP Datasphere にビルドされたコンテンツによるものです。そのため、 の HANA Cloud 上の新しいSAP Analytics Cloudテナントを購入するアプローチは PoCの目的でのみ推奨されます。 どうすればサインアップできますか。登録ページは Customer Influence で利用可能です。詳細はこちらからご確認ください。 一般出荷はいつ予定されていますか。一般出荷は 2025 年第 1 四半期を予定していますが、HANA Cloud で動作されているSAP Analytics Cloudテナントのみ適用されることに注意してください。HANA Cloudへの移行計画の詳細については、こちらのブログ(上記同様)を参照してください。 まとめ今後のSeamless PlanningのControlled Releaseは、更なる拡張計画および分析 (xP&A) への道のりのマイルストーンとなります。計画データと実績データがより密に管理されます。SAP Datasphereの機能を使用してSAP Analytics Cloudの機能を拡張することもできます。将来的には、計画ドメイン間でデータをシームレスに交換し、モデリングとデータ管理の作業の合理化および効率化に貢献します。今回のControlled Releaseに多くのお客様をお迎えし、2025 年にSeamless Planningをご提供できることを楽しみにしています。SAPは、これらを最大限に引き出す追加機能を今後とも提供します。 Read More Technology Blogs by SAP articles
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