【日本語化】Generative AI with SAP – Part5 – SAP AI Coreの概要

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このブログはEcosystem Growth活動の一環で「Generative AI with SAP@Raja_Gupta)」シリーズを日本語化・加筆したものです。このシリーズでは、SAPがポートフォリオ全体でどのように AI および Generative AI を活用しているかを理解することに焦点を当てています。

このシリーズで学べること:

SAPがポートフォリオ全体で AI および Generative AI をどのように活用しているかSAP Business AI とは何か、そしてSAPのパートナーや顧客がそれをどのように活用できるのかSAP AI Core・SAP AI Launchpad・Joule とは何かSAPのAI戦略においてSAP BTPが果たす役割実際のユースケースやハンズオン事例など

理解しやすくするため、このブログシリーズは短いセクションに分けられています。それぞれのブログは、10~15分程度で学習できる内容です。

Part1 – SAP Business AIの概要Part2 – SAP Business AIの構成要素Part3 – Joule:SAPのGenerative AI CopilotPart4 – SAP BTPにおけるAI Foundation Part5 – SAP AI Coreの概要 [現在のブログ]Part6 – SAP AI Launchpadの概要Part7 – SAP AI CoreとSAP AI Launchpadの使い方Part8 – SAP AI CoreにおけるHello WorldPart9 – Generative AI Hubの概要Part10 – SAP HANA Cloud vector enginePart11 – RAG(Retrieval-Augmented Generation)・SAP AI Core・Generative AI Hub・HANA Cloud vector engine を用いた実際のユースケース

このブログはシリーズの第5回目であり、SAP AI Coreについて学びます。

Note: 後続のブログも順次公開予定です。

SAP AI Coreをより深く理解するために、SAP AI Coreに関するいくつかの重要な用語を確認しましょう。

 

AIモデルとは何か?

AIモデルとは、データからパターンを学習して特定のタスクを実行するように訓練されたコンピュータプログラムを指します。一般にAIモデルには、膨大なサイズのデータを処理しデータ内部の潜在的なパターンを抽出するための複雑な計算手法で構成されています。

以下の図は、AIモデルに関する重要なポイントをまとめたものです。

AIモデルを学習させるには、膨大なデータセットが必要です。学習データには、テキスト・画像・ビデオ・数値などの様々な形式のデータを含みます。強力なAIモデルには、インターネット上に公開されているデータを使用して学習されているものもあります。

Note: AIモデルについて詳しく知りたい方は「What is AI Model?」を参考にしてください。

 

AIランタイムとは何か?

AIランタイムとは、AIモデル(またはアルゴリズム)が実行される環境またはプラットフォームを指します。

AIランタイムには、CPUやGPU等のハードウェア・TensorFlowやPyTorch等のソフトウェアフレームワーク・推論サーバ等のサポートサービスといった、AIモデルを本番環境で実行するために必要なツールやリソースが含まれます。また、AIランタイムは、AIモデルを効率的にデプロイ・管理・実行するために使用されます。

AIランタイムの例は以下の通りです:

TensorFlow ServingAmazon SageMakerGoogle AI PlatformAzure Machine LearningSAP AI Core

 

AIワークフローとは何か?

一般に、ワークフローとは、ある作業を始めてから終わるまでの一連の手順やプロセスのことを指します。例えば、生のデータから、加工・処理された状態なるまでの道筋を指します。

AIワークフローは、AIモデルを使って手作業が多く繰り返されるようなビジネスプロセスを効率化・改善するためのワークフローです。

 

推論サーバーとは何か?

AIモデルの学習が完了した際、リアルタイムでの予測やテキスト生成などを実現するために運用環境へのデプロイが必要です。このような処理を担うのが推論サーバーです。

推論サーバーは学習済みのモデルをホストし、ユーザーまたはアプリケーションからの要求を処理して、新しい入力データに基づいて予測や生成内容を出力します。

言い換えれば、推論サーバーは、特にリアルタイムでの予測や推論を行うために、機械学習モデルをデプロイして実行するようにデザインされた専門的なサーバーであると言えます。

 

推論サーバーの具体例

NVIDIA Tritonと呼ばれる推論サーバーは、AIモデルを大規模に展開するためのスケーラブルで柔軟な推論サーバーです。Tritonは、GPT-2やGPT-3などのモデルをホストして提供することができます。

 

それでは、メインのトピックである SAP AI Core について考えましょう!

 

SAP AI Coreとは何か?

SAP AI Coreは、SAP BTP上で利用可能な「強力なAIランタイムを提供する」サービスです。SAP AI Coreを使用して、AIワークフローとAIモデルを実行することができます。

SAP AI Coreは、AI 資産(AI モデルやコンポーネントなど)を、特定のクラウドベンダーに依存せず、拡張性と標準化を保ちながら実行・運用できるように設計されたプラットフォームです。

 

SAP AI Coreにおけるいくつかの重要なポイント

SAP AI Coreは、SAPが提供する高負荷(ヘビーロード)のAI処理向けランタイムです。これにより、大規模なAIモデルでも効率的かつコストを抑えて学習・デプロイできますSAP AI Coreは、SAP AI Launchpadとネイティブに統合されており、SAP AI Launchpadを通して簡単にAIワークフローの管理やプロセス・タスクの運用を実行できますSAP AI Coreには、PostmanなどのツールやPythonを使ったプログラムによるアクセスにも対応していますSAP AI Coreは、AIシナリオのライフサイクル全体をサポートするため、開発から運用まで一貫して管理できます

 

SAP AI Coreの機能と特徴

SAP AI Coreが提供する主な機能は、モデルの学習やバッチ推論といったAIワークフローを「オーケストレーション(複数のタスクやプロセスを統合・管理し、全体を最適に制御すること)」し、さらに推論機能を提供することです。

以下の図には、SAP AI Coreの様々な機能と特徴がまとめられています

それでは、上の図をわかりやすく説明しましょう!

標準化されたインターフェース

SAP AI Core上で動作するAIモデルは、標準化されたインターフェースを利用することで、さまざまなビジネスアプリケーションと簡単に連携できます。この標準インターフェース(「AI API」と呼ばれます)により、AIモデルの統合に加えて、SAP AI Launchpad(またはPostmanやPythonなど)を通じたSAP AI Coreの管理・監視・運用が可能になります。

AI APIとは何か?

AI APIとは、SAP AI Coreが提供する標準化されたAIインターフェースです。これにより、ビジネスアプリケーションとの接続や、SAP AI Launchpad 上でのAIシナリオ(予測・推論など)運用を実現するために利用できます。

AI API自体は独立した製品ではなく、AIシナリオの利用や運用管理を行うための共通フレームワークを定義したものです。この仕様により、ビジネスアプリケーションからの一貫した利用などを実現することができます。言い換えると、AI APIは、SAP AI Coreが管理するAI資産(学習済みモデルなど)やシナリオ、ワークフローをまとめて扱うための抽象化レイヤーでもあります。これにより、複雑な実装を意識せずに、標準化された手順で管理や連携を行えます。

Note: AI APIの詳細についてはREST API | SAP AI CoreAI API Referenceを参照してください。

 

フルライフサイクル管理

SAP AI Coreは、GitOps(インフラとアプリケーションの両方を含めたシステム全体のコードをGitによて管理する手法)の考え方を取り入れたコンテンツのデプロイなど、AIシナリオのライフサイクル全体を管理する機能を提供します。
この仕組みは、Argo Workflows(Kubernetes上でワークフローを管理・自動化するためのオープンソースツール)やKFServing(機械学習モデルのデプロイや推論を容易にするオープンソースソリューション)などの最先端のオープンソース技術を基盤として構築されています。

 

インフラを自由に選択

SAP AI Coreの大きな特徴の1つは、ストレージやCPU・GPUを含む多様なサービスプランの中から、柔軟にインフラを選択できることです。

需要に応じて、異なるタスクごとに異なるインフラリソースを使い分けるようSAP AI Coreを設定することが可能です。そのために、SAP AI Coreではあらかじめ複数の「リソースプラン」が用意されています。

Note: 利用できるリソースプランの一覧についてはChoose a Resource Planを参照してください。

 

SAPが管理するデプロイでAIアプリケーション開発をシンプルに

SAP AI Coreを使えば、AIモデルのデプロイをSAPが管理してくれるため、複雑な管理作業を意識する必要がなくなります。例えば、ビジネスアプリケーションから利用できるようにAPIエンドポイントを公開するだけでAI機能を組み込むことができます。
また、SAP AI Coreは、AIをビジネスアプリケーションに統合するためにシンプルなAPIエンドポイントを提供しているため、短時間で効率よくAI機能を導入できます。

 

コストとパフォーマンスのバランスを最適化

SAP AI Coreを使うと、GPUを活用して高負荷なAIユースケースを大規模に高速処理できる一方で、コストをしっかりコントロールすることも可能です。内蔵されたオートスケーリング機能や「スケール・トゥ・ゼロ(※)」の仕組みに加え、ストレージ・CPU・GPUなど幅広いサービスプランから必要に応じて選択することで、効率よく運用しながら費用対効果を最大化できます。

※ スケール・トゥ・ゼロ(Scale-to-zero)とは、アプリケーションやAIモデルを使用していないときには自動的にリソースをゼロ(全く使わない状態)まで縮退させてコストを削減し、リクエストが来たら必要に応じて再び起動して処理を行い、その後またゼロに戻す仕組みを指します。

 

SAPアプリケーションや業務プロセスにAI機能を手軽に組み込む

SAP AI Coreを使用し、SAPアプリケーションへの標準化された統合を活用して、AIユースケースを迅速に構築し、アプリケーションに組み込むことができます。

 

CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)とマルチテナント対応

新しいAIシナリオを素早く提供するために、SAP AI CoreにはCI/CD機能が備わっています。また、マルチテナントによってテナントごとに環境を分離できます。さらに、オンデマンドで必要なリソースだけを利用し、GPUの高いパフォーマンスと拡張性を活かすことも可能です。

これらの機能は全てはじめから利用される形で提供され、SAPが管理しているため、ユーザーは余計な手間をかけずに利用することができます。このような様々なAIフレームワークを扱える「オープン性」を維持しており、ユーザーは自社のAIシナリオを簡単にデプロイできます。

 

開発ツール:ライブラリと SDK

SAP AI Coreには開発工程を簡略化するためのツールが用意されており、その1つがSAP AI Core SDKです。

SAP AI Core SDKはPythonベースのSDKで、Pythonのメソッドやデータ構造を通じてSAP AI Coreにアクセスできるようにします。これを使うと、SAP AI Core上で簡単にシナリオやワークフローを管理することができます。

Note: SDK の詳細やインストール方法についてはai-core-sdk · PyPIを参照してください。

 

これまでの説明で、SAP AI Coreとは何か、その主な機能についてイメージをつかめたのではないのでしょうか?さらに詳しく知りたい方は、SAP AI Coreの公式ドキュメントを参照してください。

 

What’s Next?

Part6 – SAP AI Launchpadの概要

 

免責事項
本ブログに記載されているすべての見解および意見は、私個人のものであり、個人的な立場で述べられたものです。SAPは、本ブログに掲載された内容について一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。

 

​ このブログはEcosystem Growth活動の一環で「Generative AI with SAP(@Raja_Gupta)」シリーズを日本語化・加筆したものです。このシリーズでは、SAPがポートフォリオ全体でどのように AI および Generative AI を活用しているかを理解することに焦点を当てています。このシリーズで学べること:SAPがポートフォリオ全体で AI および Generative AI をどのように活用しているかSAP Business AI とは何か、そしてSAPのパートナーや顧客がそれをどのように活用できるのかSAP AI Core・SAP AI Launchpad・Joule とは何かSAPのAI戦略においてSAP BTPが果たす役割実際のユースケースやハンズオン事例など理解しやすくするため、このブログシリーズは短いセクションに分けられています。それぞれのブログは、10~15分程度で学習できる内容です。Part1 – SAP Business AIの概要Part2 – SAP Business AIの構成要素Part3 – Joule:SAPのGenerative AI CopilotPart4 – SAP BTPにおけるAI Foundation Part5 – SAP AI Coreの概要 [現在のブログ]Part6 – SAP AI Launchpadの概要Part7 – SAP AI CoreとSAP AI Launchpadの使い方Part8 – SAP AI CoreにおけるHello WorldPart9 – Generative AI Hubの概要Part10 – SAP HANA Cloud vector enginePart11 – RAG(Retrieval-Augmented Generation)・SAP AI Core・Generative AI Hub・HANA Cloud vector engine を用いた実際のユースケースこのブログはシリーズの第5回目であり、SAP AI Coreについて学びます。Note: 後続のブログも順次公開予定です。SAP AI Coreをより深く理解するために、SAP AI Coreに関するいくつかの重要な用語を確認しましょう。 AIモデルとは何か?AIモデルとは、データからパターンを学習して特定のタスクを実行するように訓練されたコンピュータプログラムを指します。一般にAIモデルには、膨大なサイズのデータを処理しデータ内部の潜在的なパターンを抽出するための複雑な計算手法で構成されています。以下の図は、AIモデルに関する重要なポイントをまとめたものです。AIモデルを学習させるには、膨大なデータセットが必要です。学習データには、テキスト・画像・ビデオ・数値などの様々な形式のデータを含みます。強力なAIモデルには、インターネット上に公開されているデータを使用して学習されているものもあります。Note: AIモデルについて詳しく知りたい方は「What is AI Model?」を参考にしてください。 AIランタイムとは何か?AIランタイムとは、AIモデル(またはアルゴリズム)が実行される環境またはプラットフォームを指します。AIランタイムには、CPUやGPU等のハードウェア・TensorFlowやPyTorch等のソフトウェアフレームワーク・推論サーバ等のサポートサービスといった、AIモデルを本番環境で実行するために必要なツールやリソースが含まれます。また、AIランタイムは、AIモデルを効率的にデプロイ・管理・実行するために使用されます。AIランタイムの例は以下の通りです:TensorFlow ServingAmazon SageMakerGoogle AI PlatformAzure Machine LearningSAP AI Core AIワークフローとは何か?一般に、ワークフローとは、ある作業を始めてから終わるまでの一連の手順やプロセスのことを指します。例えば、生のデータから、加工・処理された状態なるまでの道筋を指します。AIワークフローは、AIモデルを使って手作業が多く繰り返されるようなビジネスプロセスを効率化・改善するためのワークフローです。 推論サーバーとは何か?AIモデルの学習が完了した際、リアルタイムでの予測やテキスト生成などを実現するために運用環境へのデプロイが必要です。このような処理を担うのが推論サーバーです。推論サーバーは学習済みのモデルをホストし、ユーザーまたはアプリケーションからの要求を処理して、新しい入力データに基づいて予測や生成内容を出力します。言い換えれば、推論サーバーは、特にリアルタイムでの予測や推論を行うために、機械学習モデルをデプロイして実行するようにデザインされた専門的なサーバーであると言えます。 推論サーバーの具体例NVIDIA Tritonと呼ばれる推論サーバーは、AIモデルを大規模に展開するためのスケーラブルで柔軟な推論サーバーです。Tritonは、GPT-2やGPT-3などのモデルをホストして提供することができます。 それでは、メインのトピックである SAP AI Core について考えましょう! SAP AI Coreとは何か?SAP AI Coreは、SAP BTP上で利用可能な「強力なAIランタイムを提供する」サービスです。SAP AI Coreを使用して、AIワークフローとAIモデルを実行することができます。SAP AI Coreは、AI 資産(AI モデルやコンポーネントなど)を、特定のクラウドベンダーに依存せず、拡張性と標準化を保ちながら実行・運用できるように設計されたプラットフォームです。 SAP AI Coreにおけるいくつかの重要なポイントSAP AI Coreは、SAPが提供する高負荷(ヘビーロード)のAI処理向けランタイムです。これにより、大規模なAIモデルでも効率的かつコストを抑えて学習・デプロイできますSAP AI Coreは、SAP AI Launchpadとネイティブに統合されており、SAP AI Launchpadを通して簡単にAIワークフローの管理やプロセス・タスクの運用を実行できますSAP AI Coreには、PostmanなどのツールやPythonを使ったプログラムによるアクセスにも対応していますSAP AI Coreは、AIシナリオのライフサイクル全体をサポートするため、開発から運用まで一貫して管理できます SAP AI Coreの機能と特徴SAP AI Coreが提供する主な機能は、モデルの学習やバッチ推論といったAIワークフローを「オーケストレーション(複数のタスクやプロセスを統合・管理し、全体を最適に制御すること)」し、さらに推論機能を提供することです。以下の図には、SAP AI Coreの様々な機能と特徴がまとめられていますそれでは、上の図をわかりやすく説明しましょう!標準化されたインターフェースSAP AI Core上で動作するAIモデルは、標準化されたインターフェースを利用することで、さまざまなビジネスアプリケーションと簡単に連携できます。この標準インターフェース(「AI API」と呼ばれます)により、AIモデルの統合に加えて、SAP AI Launchpad(またはPostmanやPythonなど)を通じたSAP AI Coreの管理・監視・運用が可能になります。AI APIとは何か?AI APIとは、SAP AI Coreが提供する標準化されたAIインターフェースです。これにより、ビジネスアプリケーションとの接続や、SAP AI Launchpad 上でのAIシナリオ(予測・推論など)運用を実現するために利用できます。AI API自体は独立した製品ではなく、AIシナリオの利用や運用管理を行うための共通フレームワークを定義したものです。この仕様により、ビジネスアプリケーションからの一貫した利用などを実現することができます。言い換えると、AI APIは、SAP AI Coreが管理するAI資産(学習済みモデルなど)やシナリオ、ワークフローをまとめて扱うための抽象化レイヤーでもあります。これにより、複雑な実装を意識せずに、標準化された手順で管理や連携を行えます。Note: AI APIの詳細についてはREST API | SAP AI CoreやAI API Referenceを参照してください。 フルライフサイクル管理SAP AI Coreは、GitOps(インフラとアプリケーションの両方を含めたシステム全体のコードをGitによて管理する手法)の考え方を取り入れたコンテンツのデプロイなど、AIシナリオのライフサイクル全体を管理する機能を提供します。この仕組みは、Argo Workflows(Kubernetes上でワークフローを管理・自動化するためのオープンソースツール)やKFServing(機械学習モデルのデプロイや推論を容易にするオープンソースソリューション)などの最先端のオープンソース技術を基盤として構築されています。 インフラを自由に選択SAP AI Coreの大きな特徴の1つは、ストレージやCPU・GPUを含む多様なサービスプランの中から、柔軟にインフラを選択できることです。需要に応じて、異なるタスクごとに異なるインフラリソースを使い分けるようSAP AI Coreを設定することが可能です。そのために、SAP AI Coreではあらかじめ複数の「リソースプラン」が用意されています。Note: 利用できるリソースプランの一覧についてはChoose a Resource Planを参照してください。 SAPが管理するデプロイでAIアプリケーション開発をシンプルにSAP AI Coreを使えば、AIモデルのデプロイをSAPが管理してくれるため、複雑な管理作業を意識する必要がなくなります。例えば、ビジネスアプリケーションから利用できるようにAPIエンドポイントを公開するだけでAI機能を組み込むことができます。また、SAP AI Coreは、AIをビジネスアプリケーションに統合するためにシンプルなAPIエンドポイントを提供しているため、短時間で効率よくAI機能を導入できます。 コストとパフォーマンスのバランスを最適化SAP AI Coreを使うと、GPUを活用して高負荷なAIユースケースを大規模に高速処理できる一方で、コストをしっかりコントロールすることも可能です。内蔵されたオートスケーリング機能や「スケール・トゥ・ゼロ(※)」の仕組みに加え、ストレージ・CPU・GPUなど幅広いサービスプランから必要に応じて選択することで、効率よく運用しながら費用対効果を最大化できます。※ スケール・トゥ・ゼロ(Scale-to-zero)とは、アプリケーションやAIモデルを使用していないときには自動的にリソースをゼロ(全く使わない状態)まで縮退させてコストを削減し、リクエストが来たら必要に応じて再び起動して処理を行い、その後またゼロに戻す仕組みを指します。 SAPアプリケーションや業務プロセスにAI機能を手軽に組み込むSAP AI Coreを使用し、SAPアプリケーションへの標準化された統合を活用して、AIユースケースを迅速に構築し、アプリケーションに組み込むことができます。 CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)とマルチテナント対応新しいAIシナリオを素早く提供するために、SAP AI CoreにはCI/CD機能が備わっています。また、マルチテナントによってテナントごとに環境を分離できます。さらに、オンデマンドで必要なリソースだけを利用し、GPUの高いパフォーマンスと拡張性を活かすことも可能です。これらの機能は全てはじめから利用される形で提供され、SAPが管理しているため、ユーザーは余計な手間をかけずに利用することができます。このような様々なAIフレームワークを扱える「オープン性」を維持しており、ユーザーは自社のAIシナリオを簡単にデプロイできます。 開発ツール:ライブラリと SDKSAP AI Coreには開発工程を簡略化するためのツールが用意されており、その1つがSAP AI Core SDKです。SAP AI Core SDKはPythonベースのSDKで、Pythonのメソッドやデータ構造を通じてSAP AI Coreにアクセスできるようにします。これを使うと、SAP AI Core上で簡単にシナリオやワークフローを管理することができます。Note: SDK の詳細やインストール方法についてはai-core-sdk · PyPIを参照してください。 これまでの説明で、SAP AI Coreとは何か、その主な機能についてイメージをつかめたのではないのでしょうか?さらに詳しく知りたい方は、SAP AI Coreの公式ドキュメントを参照してください。 What’s Next?Part6 – SAP AI Launchpadの概要 免責事項本ブログに記載されているすべての見解および意見は、私個人のものであり、個人的な立場で述べられたものです。SAPは、本ブログに掲載された内容について一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。   Read More Technology Blogs by SAP articles 

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